博士前期課程におけるコース制について


名古屋大学大学院経済学研究科博士前期課程では,2027 年度入学者選抜より,一般選抜および外国人留学生特別選抜において,志願者の学修・研究上の目的に応じたコース制を導入する。

本コース制は,博士前期課程修了後に博士後期課程への進学を念頭に置く学生と,博士前期課程修了後に高度専門人として社会・実務の場で活躍することを志向する学生に対し,それぞれの目的に応じた教育・研究指導を行うことを目的とするものである。

一般選抜および外国人留学生特別選抜では,以下の二つのコースを設ける。

  • 研究者養成コース
  • 高度専門人養成コース
  • なお,社会人コースを希望する者は,社会人特別選抜に出願するものとする。

研究者養成コースは,博士後期課程への進学を念頭に置き,将来,研究者または博士号の取得を前提とする高度な専門職キャリアを志向する者を対象とする。大学・研究機関の研究者のほか,政府・国際機関の専門職員,シンクタンク研究員等,高度な研究能力を必要とする進路を考えている者は,研究者養成コースを選択することが想定される。

高度専門人養成コースは,博士前期課程修了後に,経済学・経営学の専門的知識をもって社会・実務の場で活躍することを志向する者を対象とする。企業,官公庁,金融機関,コンサルティング,各種団体等において,経済・経営の専門性を生かして課題の分析や解決に取り組むことを目指す者は,高度専門人養成コースを選択することが想定される。

いずれのコースも,経済学・経営学に関する高度な専門知識と分析能力の修得を目的とするが,研究者養成コースでは博士後期課程への進学を見据えた学術的研究能力の形成を,高度専門人養成コースでは博士前期課程修了後の社会・実務での活躍に向けた応用的・実践的能力の形成を,それぞれ重視する。

2.1 概要

研究者養成コースは,本研究科博士前期課程修了後に博士後期課程への進学を念頭に置き,将来,博士号の取得を要件とする研究者や専門職キャリアを志向する者を対象とするコースである。

本コースでは,経済学・経営学の先端研究を理解し,その学術的手法を獲得するとともに,研究に必要な基礎学力および分析能力を養うことを目標とする。

学生は,講義・演習の履修を通じて専門的知識と分析能力を高めるとともに,指導教員による研究指導を受けながら修士論文を作成する。

2.2 修了要件

研究者養成コースを修了するためには,講義・演習において 30 単位以上を修得し,かつ,必要な研究指導を受け,修士論文の審査に合格しなければならない。

修了者には,修士(経済学)の学位を授与する。

2.3 研究指導体制

研究者養成コースでは,1名の指導教員による研究指導を行う。

志願者は,出願時に,受入可能教員リストの中から第1希望および第2希望の指導教員を指定する。合格した場合には,原則として,希望指導教員が博士前期課程における研究指導を担当し,修士論文の執筆まで継続的に指導を行う。

このため,研究者養成コースを志願する者は,自らの研究テーマや問題意識が,希望する指導教員の研究分野および研究アプローチとどのように適合しているかを十分に検討する必要がある。

研究者養成コースの2年次においては,博士後期課程への進学を念頭に置くコースの性格に照らし,学術的探究力および博士論文執筆に向けた研究遂行能力をより重視して,修士論文の作成を中心とした研究指導を行う。博士後期課程への進学を希望する者の修士論文の審査では,博士後期課程の進学の可否という観点を含めるため,高度専門人コースの審査よりも経済学・経営学領域の専門知識と研究能力等がより厳正に審査される。

2.4 出願時の研究計画書

研究者養成コースの志願者は,出願時に研究計画書を提出する。研究計画書では,研究テーマを明記し,学術的な問題意識を明確にしたうえで,これまでの学習状況および今後の研究計画を記述する。また,希望する指導教員の研究分野および研究アプローチとの適合性についても記載する必要がある。

2.5 博士後期課程への進学

本研究科博士後期課程への進学を希望する場合は,原則として,内部進学者向けの博士後期課程進学試験により選抜が行われる。(場合によっては,外部からの編入学者向けの博士後期課程編入学試験一般選抜,もしくは外国人特別選抜を受験する必要がある。)

3.1 概要

高度専門人養成コースは,本研究科博士前期課程修了後に,高度専門人として社会・実務で活躍することを志向する者を対象とするコースである。

本コースでは,現代の企業や経済社会の諸課題を分析・研究し,それらを解決するための応用能力,研究能力および政策提言能力を獲得することを目標とする。

学生は,経済学・経営学に関する専門的知識を修得するとともに,社会や実務の課題を分析し,解決に結びつけるための実践的能力を養う。

3.2 修了要件

高度専門人養成コースを修了するためには,講義・演習において 30 単位以上を修得し,かつ,必要な研究指導を受け,修士論文の審査に合格しなければならない。

修了者には,修士(経済学)の学位を授与する。

3.3 チーム指導体制

高度専門人養成コースでは,複数教員によるチーム制の研究指導を行う。原則として,各チームは,幅広い分野の教員3~4名程度で構成され,学生6~10名程度を担当する。

学生には,チーム指導に当たる教員(以下,チーム教員という)のうち1名が,学務上の指導教員として置かれる。ただし,高度専門人養成コースにおける指導は,特定の教員による個別指導のみを基本とするものではなく,チーム指導体制のもとで行われる。

チーム指導体制により,学生は特定の分野に限定されない多様な視点から助言を受けることができる。また,学生の関心や研究テーマに応じて,複数の教員の専門性を活用しながら,学修計画および修士論文の作成を進める。

3.4 1年次の演習と学修指導

1年次には,チーム教員が分担して演習を担当する。演習は,各教員がリレー式に担当する。
演習では,文献の読み方,論文の書き方,基礎的な分析手法等について,各教員の専門性や強みを生かした指導を行う。演習の具体的な計画については,演習の第1回目にチーム教員から説明する。

1年次は,修士論文の作成に向けた基礎的な知識と技能を身につけることを主眼とする。また,学生の研究指導計画および学修計画については,学務上の指導教員が確認・指導し,必要に応じてチーム教員と連携して指導を行う。1年次の終盤には,修士論文のテーマについて検討を開始する。

3.5  2年次の修士論文指導

2年次には,修了後に社会・実務の場で高度専門人として活躍することを志向するコースの性格に照らし,修士論文の作成を中心とした研究指導を行う。修士論文の審査では,経済学・経営学領域の専門知識と研究能力等が厳正に審査される。

学生は,チーム教員と相談しながら,修士論文のテーマや分析アプローチを具体化し,2年次の初めまでに,チーム教員の中から,修士論文を主として指導する教員を決定する。この教員は,学務上の指導教員と同一である場合もあるが,必ずしも一致するとは限らない。

修士論文指導は,修士論文を主として指導する教員が中心となって行う。ただし,必要に応じて,チーム内で協力しながら指導を行う場合もある。学生の研究テーマや指導上の必要性を踏まえ,チーム指導体制のもとで,適切な指導が行われる。

3.6 出願時の学修計画書

高度専門人養成コースの志願者は,出願時に学修計画書を提出する。学修計画書では,これまでの学習状
況,博士前期課程で学びたい内容,修了後のキャリアプランについて記述する。

3.7 博士後期課程への進学

高度専門人養成コースの修了者が本研究科博士後期課程への進学を希望する場合は,外部向けの博士後期課
程編入学試験一般選抜,または外国人特別選抜を受験し,合格する必要がある。

研究者養成コースを対象とする博士後期課程進学試験は,高度専門人養成コースの学生には適用されない。

研究者養成コースと高度専門人養成コースは併願することができる。

併願を希望する者は,出願書類の「志望コース」欄で「併願」を選択する。また,研究者養成コースに対応する研究計画書と,高度専門人養成コースに対応する学修計画書の両方を提出しなければならない。

併願者の学科試験については,研究者養成コース志願者と同じ扱いとなる。すなわち,A~D 類より合計2題を選択して受験しなければならない。ただし,自分の申請した専攻に対応する類の中から少なくとも1題を選択する必要がある。高度専門人養成コースのみを志願する者は,A~D 類より1題を選択して受験する。

併願者について,第一次試験では,研究者養成コースと高度専門人養成コースを区別せず,一括で合否が判定される。第二次試験においては,それぞれのコースごとに合否が判定される。最終合格となった者については,研究科が合格したコースひとつを,合格者に通知する。

併願して合格した場合であっても,合格者が入学するコースは,研究科が通知したコースひとつとする。合格後に,コースの変更はできない。

二つのコースの主な違いは,想定する進路,研究指導体制,および入学者選抜における学科試験の受験科目数にある。

項目 研究者養成コース 高度専門人養成コース
主な進路 博士後期課程への進学,研究者,博士号を前提とする高度専門職 博士前期課程修了後の社会・実務での活躍
出願時の提出書類 研究計画書 学修計画書
学科試験 A~D 類より合計2題。ただし,自分の申請した専攻に対応する類の中から少なくとも1題を選択する必要がある。 A~D 類より1題
指導体制 1 名の指導教員による指導 複数教員によるチーム指導
指導教員 原則として合格時に決定 入学時に(学務上の)指導教員を置き,2年次初めまでに修士論文を主として指導する教員を決定
博士後期課程への進学 博士後期課程進学試験または編入学試験により選抜 博士後期課程編入学試験により選抜

※併願者の学科試験は,研究者養成コース志願者と同じ扱いとなる。

Q1. 高度専門人養成コースから博士後期課程に進学することはできますか。

進学することは可能である。ただし,高度専門人養成コースの修了者が本研究科博士後期課程への進学を希望する場合は,博士後期課程編入学試験を受験し,合格しなければならない。

研究者養成コースを対象とする博士後期課程進学試験は,高度専門人養成コースの学生には適用されない。したがって,高度専門人養成コースから博士後期課程への進学を希望する場合には,博士後期課程編入学試験一般選抜,または外国人特別選抜により選抜されることになる。

Q2. 研究者養成コース修了後,博士後期課程に進学しなければなりませんか。

博士後期課程への進学は任意であり,研究者養成コース修了後の進路は各学生の判断に委ねられる。博士後期課程への進学を希望する場合は,本研究科博士後期課程の進学試験または編入学試験を受験することができる。また,国内外の他大学大学院への進学を目指すことも可能である。

なお,研究者養成コースを修了した後に,社会人として就職することを妨げるものではない。

Q3. 併願して合格した場合,入学するコースを選ぶことはできますか。

併願者が最終合格となった場合,研究科が合格コースを決定し,合格者に通知する。合格者は,通知された合格コースで入学するものとし,合格後に他方のコースへ変更することはできない。したがって,どちらかのコースのみを希望する場合は,併願を選択しないよう注意すること。

なお,併願者の学科試験は,研究者養成コース志願者と同じ扱いとなる。したがって,併願者は,A~D 類
より合計2題を選択して受験する必要がある。ただし,自分の申請した専攻に対応する類の中から少なくとも1題を選択する必要がある。

Q4. 指導教員はいつ決まりますか。

研究者養成コースでは,出願時に第1希望および第2希望の指導教員を指定する。合格した場合には,原則として指導教員が決定し,合格者に通知される。決定した指導教員は,博士前期課程における研究指導を担当し,修士論文の執筆を行う2年次まで継続的に指導を行う。

高度専門人養成コースでは,入学時にチーム指導体制が決定される。また,チーム教員のうち1名が,(学務上の)指導教員として置かれる。2年次の初めまでに,チーム教員の中から,修士論文を主として指導する教員を決定する。この教員は,学務上の指導教員と同一であってもよいし,異なってもよい。

Q5. 博士後期課程への進学を想定していませんが,特定の教員の指導を希望する場合にはどうすればよいですか。

高度専門人養成コースでは,入学時に研究科が指定するチーム指導体制のもとで指導を受けることになる。そのため,必ずしも特定の希望教員による指導を受けられるとは限らない。

特定の教員による指導を希望する場合は,研究者養成コースに出願すること。

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